ワークライフバランスを手に入れるには?
転職を考える時、「望ましくない条件だが、給与が高い」場合と「望ましい条件だが、給与が低い」場合、あなたならどちらを選びますか?
サカイマリさん(仮名)はまさにこのジレンマに直面していました。彼女は、日本の大手製薬会社や大手および小規模の外資系企業で、臨床開発のキャリアを積んできた経歴があります。
日本の一流大学でMBAと博士号を取得し、日本の製薬業界の良いところ、悪いところなどあらゆる側面を経験してきました。企業やリーダーシップに対する洞察力は非常に優れている人です。彼女が働いていた会社では、パンデミックの影響もあり上司は常に不在で、組織には、面倒な社内政治と煩雑なビジネスプロセスが蔓延し、製品パイプラインも手薄でした。
サカイさんは、当時、この会社は自分には合わなくなったと感じていました。勤務地にも不満があり、すでに見切りをつけるべき時が来ていたのです。
サカイさんとMorundaのお付き合いは、10年前まで遡るほどの長いものです。彼女の話を聞き、好ましくない状況ながらも、強い意志と共に解決策を求めていることを理解しました。
その後、彼女とはミーティングを重ね、転職活動のサポートを始めました。いくつか紹介した中で、あるバイオファーマの会社について興味を示しました。米国系の多国籍企業であるその会社には、彼女の前職の同僚が何人か勤務していたのです。
サカイさんが興味を示した会社は、社員が皆、会社がすばらしい職場であること口を揃えていいます。そこで働いている人に会社のことを尋ねると、「今まで働いた会社の中で一番いい会社だ」と、熱烈な推薦をしてくるほどです。
その会社との面接は進み、サカイさんは好印象を残しました。話し合いの終盤に差し掛かると、いよいよ給与の交渉です。その会社が、彼女の現職と同等の給与を払えないことは初めからわかっていたことでした。
このバイオファーマの熱狂的なファンである彼女の知り合いは、「それだけの価値がある」と伝えたそうです。上司、同僚(これには少々バイアスがかかっていたかもしれませんが)、オフィスの場所、製品のパイプラインもとても良いといいます。「この会社をあなたは好きになり、信頼することになります」とまで言い切った人もいるそうです。
結局サカイさんは、自分自身とワークライフバランス、そして心の健康を第一に考え、そのバイオファーマに転職を決意しました。この過程で、彼女が気がついたことは「人生で本当に大切なことに気づくためには、ちょっと背中を押してくれる人が必要である」ということです。
私たちの生活の質は、自らが下す決断と受け入れる状況に基づいています。
そして、私たちの状況は、自らが決断し、自分を信じて行動したときにのみ、変えることができるのです。