新規採用者の心をつかむ5つの方法
以前の会社で優秀な成績を収め、貴社に入るために厳しい面接を経て、他の候補者より秀でた能力を持つ優秀な人がいます。しかし、そんな優れた人でも、採用から3ヶ月から6ヶ月後に上手くいかなくなる人が出てきます。本人も不満、上司も不満、そして、その人の部下などの他の社員も不満という状態です。何が悪かったのでしょうか?間違った方向に進み始めたときどのような結果が待っているのでしょうか?採用が失敗した場合のコストは、簡単には計算できません。業績ランキングの主観性を計算するのは困難です。
採用した人が新しい職務を開始するまでには、少なくとも30~90日かかり、さらに新人研修に1カ月、そして組織の規範やプロセスに対応できるようになるまでには、数カ月を要します。 採用が正解だったのか否かの決断がされるまでには、最長で12~18ヶ月かかる可能性があるのです。
もちろん、仕事で失敗する理由は数多くあります。それは、粘り強さが欠けているからかもしれません。困難な局面を乗り切るだけのタフさがなかったか、あるいは信念が足りずに、辛抱することができなかったのかもしれません。ある人事部長によると、採用を失敗する理由の第一位は、期待に対するコミュニケーション不足だといいます。会社や採用担当者と求職者の間で、お互いに期待することが明確に伝わっていない場合です。
高いパフォーマンスを発揮するチームは、自分の立場にコミットしている人たちで構成されています。どのような結果が期待され、どのような基準で結果を出す必要があるのかを理解しています。そして、チームの他のメンバーも自らの役割を果たすという信頼があり、必要なときには、助け合うということができるという安心感があるのです。さらに、仕事がきちんと評価されていることを確信しています。自らの担う業務が重要であり、最善を尽くす価値があるという点で、組織との認識が合致しているのです。
ポジションアグリーメント(Position agreement)とは、その職務に対して期待される成果を得るために、従業員とその上司の間で求められる事項をまとめた文書です。それは、以下の5つのセクションから構成されています。
- 職務の認識:職務は明確で曖昧であってはならない
- 報告ライン:明確な報告ライン、報告ラインを示す組織図
- 結果の記述:その職務が達成すべき成果を明確に示し、達成すべき具体的な戦略的・戦術的業務の概要を示す業務リストに記載する
成功の測定方法
- 戦略的業務は、戦略的目標に役立つルーチン、方針、基準、慣行を確立する
- 戦術的な仕事は、製品やサービスを生産・提供するものであり、ビジネスを支えるために必要な事務業務も含まれる
- 職務固有および会社の基準:量、品質、行動に関して、職務別および全社的に求められる基準を明確にする
- 報告ラインの関係者による署名:お互いに署名することで、従業員とその上司の双方が契約を履行することを約束する
人生に「保証」はありません。しかし、キャリアに関しては、このような基準によって、従業員の求めるものと会社の求めるものを明確に照らし合わせることができ、新規採用者とのお互いの理解を高めることができます。