面接の大前提 (Ask a Question and Shut Up)

先日の南アフリカ旅行の終盤、ピンダ動物保護区で五頭の気高い野生動物を見て、滞在先のオイスターボックスホテルで妻と一緒にインド洋を眺めながら朝食を楽しんでたときのことです。私は肩越しに聞こえてくる面接らしき会話を無視することができませんでした。

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私は椅子を少しずらして、聞き耳をたてました。リクルーターの性でしょうか。もしかしたら何か参考になる話が聞けるかもしれないと思ったのです。面接官はイギリス人で、面接を受けているのは南アフリカ人でした。両者の挨拶が終わると、質問が始まりました。しかし、それは質問と言うより、長々とまわりくどい意見のように聞こえました。

「私たちはリーダーとして相応しい人材を求めています。以前いた人は全ての功績を自分のものにしようとして、チーム内のメンバー誰一人の功績も認めない人だったのです」と面接官が話し始めました。

候補者は「なるほど、そうですか」とだけ応えました。 さらに面接官は続け「我々は、チーム内で将来のリーダを育て、個々の才能を伸ばすことができる人材を探しているのです」そのあと候補者に与えられたのは「なるほど」と一言だけ発言する時間でした。更に面接官は言いました。「理想的な候補者は周りの人に仕事を任せ、彼らの功績を称え、導くことのできる人なのです」と。

こうようにして面接が進みました。面接というよりも、むしろ採用担当者の痛烈な非難のように聞こえました。想像できると思いますが、気の毒なことに、候補者は言葉をはさむ間もなかったのです。まるで、かのドナルド・トランプをおとなしい人と錯覚させるかのような面接です。その候補者はもしかしたら説得力のある話が出来る人だったかもしれません。よほど体を乗り出して「質問が済んだら口を閉じるべきですよ」と言おうかと思いました。

この面接官は、面接の大前提を無視していました。それは「候補者を会話の主役にする」ということです。本来は候補者が話す割合が8割であるべきです。そうでなければ、どうやって候補者を評価するのですか。このような対話では面接官が候補者の長所や短所を見出すのは不可能です。

ベストな方法は、ありがちな問題を提起し、その候補者ならどのように解決するか聞いてみることです。技術的なことでも、人間関係におけることでも構いません。そうすることで、質疑応答をディスカッションへとつなげ、候補者の思考回路を理解することが目的なのです。面接官は候補者がどのように考え、どのように順応し、解決策を視覚化できるかどうかを見極めるよう努めて下さい。

良い面接のやり方を学ぶには、数々のインタビューをこなしたエキスパートをお手本にすることです。イギリス人ジャーナリスト兼ブロードキャスターのマイケル・パーキンソンが良い例です。彼は事前にリサーチをし、質問をした後は相手に十分話す時間を与えます。話し相手の自由に任せ、好きなように話させることで、常に見事なインタビューをします。誰でも機会を与えられれば喜んでいろんなことを明かしてくれます。結局誰もが自分のことを話すのが好きなのです。相手に話させれば、その人が自分たちの会社にふさわしい人材かどうか自ずと見えてきます。



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